成形金型ランナー・ゲート

目次

成形金型の構造

成形の樹脂の流れは、成形機のシリンダーノズルより金型のスプールブッシュより溶解プラスチック樹脂材料が射出注入されます。

まず、スプール(一次スプール)を通り、ランナーを通り、ゲートを通過して製品形状の彫り込み部へ充填されます。

ランナー

ランナー方式は基本的に大きく分けてコールドランナーとホットランナーに分けられる。

コールドランナー金型

コールドランナーはスプールからランナーまで製品取り出しの時に同時に取り出され、材料ロスが発生します。

スプールからランナーまで冷却固化されて取り出されるため材料ロス、成形サイクル、圧力損失など懸念されます。

ホットランナー金型

ホットランナーはスプール、ランナー部をヒーターにて加熱し溶融した状態で成形します。
ランナーレスとも呼ばれています。

成形材料のスプールとランナー部がロスしないので材料費の節約になります。
また、圧力損失もコールドランナーに比べてなく、成形サイクルも短縮でき様々なメリットがあります。

デメリットとして金型コストが上がる、成形樹脂材料の変更が容易に出来ないなど様々あります。

金型各種ゲート

成形金型のゲート方式は様々あります。
製品形状、金型構造などにより適したゲート方式を選定する必要があります。

ダイレクトゲート

ランナーを介さずスプールから直接製品に充填する方式

成形品に直接充填するので圧力損失が少なく成形しやすい、金型構造が単純、ランナーがないので成形材料のロスが少ないなどの利点があります。

また、デメリットとして、一個取りになる、後工程でゲート部のカットが必要、ゲート跡が大きくなる、ゲート付近にひけなどが出やすいなどがあります。

ピンゲート

金型構造を3プレートにして自動切断するゲート方式

ゲート切断が自動でされる、ゲート位置の設定が容易、多点ゲートにも対応しやすい、ゲート跡が小さいなどのメリットがあります。

デメリットとして、スプール及びランナーの材料ロスが多くなる、2プレートに比べ3プレートの方がコストが高い、金型が大きくなる、流動性が悪い成形樹脂材料に不向きなどがあります。

サイドゲート

サイドゲートは基本的に成形品の側面に設けるゲート方式になります。

最も標準的なゲート方式で、金型構造上、設定が安易なゲート方式です。
比較的に成形射出圧力の損失が少ない、金型構造も単純でコストも抑えられる、多数個取りにも対応しやすいなどメリットがあります。

デメリットは、ゲート部の後処理が必要などがあります。

サブマリンゲート(トンネルゲート)

トンネルゲートは金型にトンネル状にゲートを設け、成形のエジェクター時に自動でゲートカットされるゲート方式です。

成形エジェクト時に自動でゲートカットされるので後処理の必要が無い、ゲート跡が小さく目立たないなどメリットがあります。

デメリットは、トンネルゲートの加工に手間がかかる、流動性が悪い成形材料に不向き、ゲート部の金型強度が弱い、成形品に対して設置個所が限られるなどがあります。

フィルムゲート

フィルムゲートは成形品に沿ってランナーを設け成形品とランナーの間に薄いフィルム状のゲートを設置するゲート方式です。

肉厚が薄く幅が広い成形品に適しております。
ゲート幅が広いため、成形品に対してプラスチック成形材料が比較的、均一に流れます。
薄肉の板状の成形品に有効的なゲート方式になります。

デメリットは、成形品のゲートカット処理が必要、射出圧力が必要などが挙げられます。

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